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ドクター・ブルー

と~~~っても落ち着いていた、とある土曜日の準夜勤。
その日のメンバーは、6年生と1年生と私。
一日の水分出納のしめも終わり、記録もある程度書き終わった23時過ぎ。
深夜勤の人もやってきて、内服薬の準備をしている。
その時、突然聞こえた全館放送。

「ドクターブルー、ドクターブルー、○階○○号室」

一瞬、みんなで顔を見合わせた。

夜勤のリーダーをしていた6年生が、
「病棟落ち着いているから、1年生連れて行ってきてください。
深夜勤の人も来てるから、何かあったら手を貸してもらいますし。」
「ん、じゃ行ってくるね。
みんな(私の受け持ち児)寝てるから、モニターのアラーム(HRモニター&SpO2モニター)鳴ったら、見に行ってね。」
という会話をして、1年生を連れて○階○○号室へ向かった。

ちなみに、ドクターブルーとは、
当院における、緊急を要する時(主に急変時)に人命を助けるために、一斉に 医師・看護師達を集める緊急招集令。
ようするに、この全館放送がかかったら、何科でもいいから、手があいている人間は、さっさと来て手をかさんかい!という召集令。

病室に行くと、すでにたくさんの人が集まっていた。
内科当直医はもちろん、知っている医者や研修医数名の顔があった
(なんで、こんな時間にこんなに医者がいるんだ?、と思ったけどね)。
各病棟からも看護師が応援にかけつけており、事務当直の人も、当直師長もかけつけていた。

大部屋での急変のため、詰め所の隣の観察室に移すという。
私たち二人は、ベッド移動のお手伝いをした。
観察室にいた患者さんを大部屋に移したのだが、ベッドを動かしているにも関わらず、気持ちよさ気にやすまれていた。
離床センサーを使っている人だったので、その使い方を1年生に説明する。
ときおりナースコールが鳴っていたが、他の病棟の看護師が対応していた。
ひと区切りついたところで、病棟の方に戻った。

病棟では、ナースコールもモニターのアラームも鳴らなかったという。
残った彼女一人で、ラウンドもしてくれていた。
申し送りが終わって、記録も仕上げて、休憩室で一息ついたとき、1年生に言う。
「毎日ルーチンで救急カートの点検をしてるけど、ただ単に定数の数合わせをするだけじゃない。
どの引き出しに何が入っているか、どういう使い方をするものなのか考えながら点検していったらいい。
救急カート、使わないに越したことはないけど、いざ、使うときは緊急時なんだから、いつでも使えるよう、そのために毎日点検しているのだから。
あと、まわりへの配慮も忘れないように。
今は、先輩の言われたとおりに動いているけど、今はそれでいいから、あとできちんと振り返りをするように。」

と、ちょこっとえらそうなことを言って、この日の準夜勤が終わった。


あと、友人の勤務する病院では、この緊急招集令、
「ハート先生、ハート先生。至急○○へ来てください」
というそうだ。
初めてこの全館放送を聞いた彼女は、なんてやさしい名前の先生がいるんだ、と思ったという。
by blue-umiusagi | 2006-02-20 23:17 | 職場雑感
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